今日の読書

『百万のマルコ』(柳広司/創元推理文庫)
読了。
小さい頃、家族で電車に乗り出かける際に、切符に刻印されている四桁の数値をすべて一度ずつ使用して、とにかく解を「10」にするという遊びをやった。
推理小説の多くはそれに似たようなものであり、単純化すると結果に至る手法を状況から探っていくというものになる。
きちんと前提となるルールが明示されていれば、手法が超能力であろうと何だろうと推理が成り立つのは西澤保彦の『神麻嗣子の超能力事件簿』シリーズなどの存在で明らかだ。そういえば昔、ソードワールドノベルなんかでも推理モノあったなあ。

さて、『百万のマルコ』だが。
タイトルでわかるようにマルコ・ポーロが題材とあって、最初は「チンギス・ハーンは実は○○だった!」的な歴史の裏側的なものを解き明かしていく、高木彬光『成吉思汗の秘密』的なものを現代人の視点ではなく当事者の視点で行う、加藤廣『信長の棺』のモンゴル帝国版っぽいのを想像してたんだけど全然違った。
マルコの名を知らしめたかの『東方見聞録』はマルコ自身の筆によるものではなく、獄中で知り合ったルスティケロが口述された話を記述編纂したものだが、この『百万のマルコ』もさながらホームズに対するワトソンのように、最初はルスケティロの視点で語られる。

暇を持て余す獄中の囚人達に奇妙な東方の物語をマルコが語って聞かせるのだが、過程の肝心な部分をすっ飛ばして結論の「神に感謝。アーメン、アーメン」の語句に行き着き、そのその欠けたピースについて囚人達があれやこれやと頭を捻った結果、すべての答えに駄目出しを喰らい、最後にマルコが答えを開示するといったパターンの読み切り短編が、全十三話。

文庫自体普通の厚さなので一話一話はすぱっと短く、それほど大きな仕掛けの話はしていない。どちらかといえば一休さんのとんち勝負のノリ。で、中にはかなり馬鹿馬鹿しい答えがあったりするんだけど、これが結構面白い。
ちなみに俺は「一番遠くの景色」は正解したけど「真を告げるものは」は〈船乗り〉レオナルドの不正解と同じ答えだった。でもあの答えはズルいよなー。

あまり身構えず「色は匂へど」の答えは「ねーよ!」とかツッコミつつ軽く読むのに向いてる本だと思います。
同作者の『饗宴 ソクラテス最後の事件』というのがタイトル的に気になったので、そのうち読むことにしよう。

ところで、相手の回想記述を一通り聞いて、その言葉の中から謎を解いていくこの構成、何かに似てる気がするなあと思ったら『逆転裁判』かもしれない。
あー、ここで思いつくのが小説じゃないんだ。

鋼鉄典範は色々応援しています。

ランス10 ランス10 ランス03 リーザス陥落 相州戦神館學園 万仙陣 応援中! 『相州戦神館學園 八命陣』に期待しています! Dies irae ~Amantes amentes~応援中! 創造webブラウザシミュレーションRPG『英雄クロニクル』2011/9/29サービス開始! スチームパンクシリーズ第5弾『紫影のソナーニル』応援中! レイルソフト第3弾『信天翁航海録』応援中! 『クロノベルト』応援中! 『エヴォリミット』応援中! (C)Alchemist 当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しております。 「アオイシロ」応援バナー 「アカイイト」応援バナー 「アカイイト」応援バナー ギャルゲシナリオデビュー作 香港中文版
プロフィール

麓川智之

Author:麓川智之
某ゲーム会社勤務。シナリオ書いたりスクリプト打ったり企画やったりしています。 趣味筆頭は読書なものの、文庫落ち待ち派でハードカバーは滅多に買いません。 じっさい文庫はけいざいだよ。

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新記事
カテゴリ
『アオイシロ』発売中!
検索フォーム
リンク
QRコード
QRコード