『紫影のソナーニル』体験版をやってみた。

サポーターサイトとして応援中のライアーソフト・スチームパンクシリーズ第五弾『紫影のソナーニル』の体験版が、先日ネット上で配布されました。
今までのパターンからして、ソナーニルも凡そ十章強に章立てされた一章毎に話に区切りがつく連作形式になるはずですが、今回はその第三章+間章が体験版の範囲。

大まかに掴んだアウトラインは、五年前、ニューヨークは三百万人の生命と共に廃墟となった。地上世界では思い人・アランを追ってエリシアがマンハッタンへと向かい、一方、地上とは隔絶された《地下世界》では、記憶喪失の少女リリィが、一両だけの機関車とその車掌Aと共に中央へと向かう――というものを、視点を切り替えつつ進めるといった形式。どちらかと言えば、ユーザーの視点は誰もいない無人の廃墟を旅するエリシアではなく、リリィと《地下世界》の方へと据えられる。

いわゆる『水戸黄門』などに代表される股旅ものは、最初から最終目的を提示した上で、それに対する伏線を張りつつ、一話完結の話を繰り返すこういった形式の作風とは非常に相性がいい。『赫炎のインガノック』では都市を階層分けすることで類似フォーマットに落とし込み上手く作用させていた評価点を、今度はストレートに使用してきた模様。余談だが、このフォーマットから外れた『白光のヴァルーシア』は、やはり章仕立てではあったもものどちらかといえばそれは舞台ではなく主役を切り替えるための区切りであり、ゆえにこの手の一人称主人公を追い掛けるものが主流のADVとは異なる群像劇となってしまい、そこでユーザーの評価が別れたように見えた。
閑話休題。

体験版を触れてみた感じ、まずリリィの可愛らしさを愛でる目的だけで、最初から最後まで遊べるのは確実だと感じた。通常の立ち絵だけでなくイベントCGに置いても表情差分が豊富に用意されており、Aに対して拗ねたり怒ったり意地を張ったりしている姿を見ているだけで楽しめる。
――というキャラクター単体の魅力だけでなく、最近読んだ『神話の力』で語られる「英雄の度は己を見出す度である」という神話のフォーマットに沿うように、これは「記憶喪失」という初期設定を持つリリィが己が誰だかを知り、欠けていた己を取り戻す物語となるのだろう。一章と二章は未見なので定かではないが、三章ラストで彼女は笑いを取り戻した。芯のある物語も期待できる。
今までのシリーズで「水戸黄門の印籠」とも呼ばれる戦闘シーンが、今回は「魔女っ子」になっていたのが新機軸。ただ音楽が今までの「これで勝てる!」的な高揚感たっぷりの無双系ではなくかなり地味目に感じたため、できれば製品版では盛り上がる演出を期待したい。

ところで、青い服(作中では「青」という空の色を示す単語が失われて久しいため「翠」と表現されているが)で落下していくイメージと、時計を暗示するチクタクマンから『不思議の国のアリス』を漠然と想起していたのだけれど、今回のクリッターからするに『オズの魔法使い』の色が強そう。
ちょっとググってみた感じ、黄色い道とか西の悪い魔女とかのガジェットもそうなのかというか、「19世紀末のアメリカ経済に関する寓話とも解釈されることがあり」って、だから舞台がニューヨークなのか。

予想としては、リリィはエリシアの投影かなにかなのだろう。変身するとより瞳の色や髪の色が本来のエリシアに近いものになることから、これは大枠合っているはず。《地下世界》がエリシアの内面世界なら、世界そのものであるエリシアに近い形に戻ることで、絶対の力を振えるようになるのも納得。リリィが持つ黄金はエリシアの持つ黄金瞳のことだろう。ただ、これだけではストーリー的に物足りないので、ユング的な集合的無意識を介した世界レベルの(或いはニューヨーク三百万人が夢見る)夢なのかも。
Aはその願望というか深層心理的なものが生み出した守護者としてのアランなんじゃないかなあ。一両だけの車両は、旅に必要なものを運ぶ自律歩行する鞄だろうか。

とにかく、十一月二十六日の発売日が楽しみだ。

追記・間賞に出てくるエリシアが可憐すぎて、数年での変わりっぷりが怖い(笑)

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麓川智之

Author:麓川智之
某ゲーム会社勤務。シナリオ書いたりスクリプト打ったり企画やったりしています。 趣味筆頭は読書なものの、文庫落ち待ち派でハードカバーは滅多に買いません。 じっさい文庫はけいざいだよ。

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